剛性率 Rs
- 建築物の地上部分の剛性率 Rs の計算方法ついて、令第86条の6 第二号 イに規定があります。
- 剛性率とは、各階の剛性の鉛直方向の偏りを表す数値で、その値が小さいほど変形しやすい階であることを示します。
- 剛性率の特に小さい階には地震エネルギーが集中し、過大な水平変形が生じるため、その階の被害が大きくなります。
- これまでの地震被害の事例を勘案して、階ごとの相対的な変形のしやすさを一定範囲に抑えるために、Rs≧0.6とすることが定められています。
- 剛性率の制限では、階ごとの変形のしやすさに着目しているので、各階における平均的な剛性として、並進架構を想定した数値を採用することが規定されています。
- ただし、剛床仮定が成立しない場合などは、特別な調査又は研究によるものとして、立体解析等の方法に基づいて計算した剛心位置や重心位置等の層間変位を用いることができる、とされています。
剛性率とは
- 剛性率とは、各階の水平方向への変形のしにくさ(剛性)が、建築物全体と比べてどの程度大きいのか(もしくは、小さいのか)を示しています。
- いわば、立面的な剛性のバランスを評価する指標です。
Rs = 1.0
Rsの値が1.0となっている場合、その階は建物全体の平均の変形量となっている階です。
Rs > 1.0 (1より大きい場合)
Rsの値が大きくなるほど、その階は建物全体から見て変形しにくい階です。
Rs < 1.0 (1より小さい場合)
Rsの値が小さくなるほど、その階は建物全体から見て変形しやすい階です。
地上部分の各階の剛性率Rsの計算方法
(令第82条の6 第二号 イ)
剛性率 Rs=rs/rs
- rs:各階の層間変形角の逆数
- rs:当該建築物についてのrsの相加平均