鉄骨造【S造】ルート1-3(R7.4.1改正)

  • 「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年6月17日に公布)により、令和7年4月1日改正(施行)された内容を掲載しています。

構造計算 ルート1
(令第81条 第3項)

  • ルート1の構造計算は、令81条 第3項に、「令第82条各号及び第82条の4に定めるところによる構造計算」として規定されています。
  • 主として、次の①~③の検討が必要です。
  • また、これらの検討の以外に、④としてルート1の構造計算の適用が可能な建築物区分としての要件(平19国交告第593号)への適合が必要です。
  • 鉄骨造ではスパンや延べ面積の要件のほかにCo≧0.3での許容応力度計算などの検討が必要です。

①許容応力度計算
(令第82条 第一号~第三号)

  • 長期及び短期の各応力度が、長期に生ずる力又は短期に生ずる力に対する各許容応力度を超えないことを確かめること。
  • 令第82条 第一号~第三号 の規定では、Co≧0.2以上とすることが規定されています。
  • なお、鉄骨造 ルート1の場合は、下記の④に示す「ルート1の構造計算の適用が可能な建築物区分への適合」について、平19国交告第593号 第一号において、Co≧0.3以上とすることが別途求められています。
  • したがって、鉄骨造の場合、①令第82条 第一号~第三号 の規定による Co≧0.2以上であること、②平19国交告第593号 第一号の規定による Co≧0.3以上であること、について、規定上①②それぞれの検討が必要ですが、通常、Co≧0.3以上の検討だけを行うことで、①②それぞれの要求を満たすことを確認していることとなります。

②使用上の支障
(令第82条 第四号)

  • 構造耐力上主要な部分である構造部材の変形又は振動によって建築物の使用上の支障が起こらないことを確かめること。

③屋根ふき材等
(令第82条の4)

  • 屋根ふき材等について、国土交通大臣が定める基準に従った構造計算によって、風圧に対して構造耐力上安全であることを確かめること。

④ルート1-3 の構造計算の適用が可能な 建築物の区分 への適合
(平19国交告第593号 第一号 ハ)

  • 今回の法改正で、新たにルート1ー3が規定され、高さ13mを超え16m以下の建築物についてもルート1(簡易な構造計算)で取り扱うことができるようになりました。
  • ルート1-3で設計するためには、上記①~③の検討以外に、ルート1-3の構造計算の適用が可能な建築物の区分(平19国交告第593号 第一号 ハ)への適合が必要です。
  • 平19国交告第593号 第一号 ハ(ルート1‐3)では、同号イ(ルート1-1)や、同号ロ(ルート1‐2)の規定が 多く準用されています。
  • また、これまで ルート2以上の計算でしか求められなかった層間変形角の制限が、ルート1-3 でも求められることとなりました。
  • これは、法改正以前は高さ13mを超える場合はルート2の構造計算が必要であったところ、高さ16mまではルート1(簡易な構造計算)を認める改正にあたり、ルート2の構造計算との整合性を一定程度保つための結果として考えると、理解しやすくなります。

鉄骨造ルート1-1、ルート1-2、ルート1-3 の比較 まとめ表 は、こちらです

ルート1-3 S造建築物の規模等
・・・

(平19国交告第593号 第一号 ハ (1))

  • 地上3階以下、高さ16m以下であること。
  • 同号ハ (1) において準用されている規定を以下に示します。
    • イ (2):柱スパンが、6m以下 であること。
    • イ (3):延べ面積500㎡以内 であること。

ルート1-3 S造建築物の構造計算の方法・・・・・・・
(平19国交告第593号 第一号 ハ (1)(2)(3)(4)(5))

  • 地震力についてCo≧0.3として許容応力度計算を行い、安全を確かめること。
  • 同号ハ (1) において準用されている規定を以下に示します。
    • イ (5):水平力を負担する筋かいの端部および接合部を保有耐力接合 とすること。
    • イ (6):特定天井に関する基準に適合 すること。
    • ロ (5):各階の偏心率が0.15以下 であること。
    • ロ (8):構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生じるおそれがないこと。
  • 上記の許容応力度計算において、次の場合、それぞれ検討を行うこと。(同号ハ (2))
    • 水平力を負担する筋かいを設けた地上階について、地震力によって・・・・・・・当該階の構造耐力上主要な部分に生ずる力を割増しすること。ただし、特別な調査研究の結果に基づき、筋かいに構造耐力上支障のある急激な耐力低下を生じるおそれのないことが確かめられた場合はこの限りではありません。
    • 冷間形成角形鋼管の柱(厚さ≧6㎜のものに限る)について、柱の鋼材の種別ならびに柱・梁接合部の構造方法(形式)に応じて、次の表の割増し係数によって、地震力によって・・・・・・・に生ずる力を割増しすること。ただし、特別な調査研究の結果に基づき、角形鋼管に構造耐力上支障のある急激な耐力低下を生じるおそれのないことが確かめられた場合はこの限りではありません。
  • 層間変形角が1/200以下であること。(同号ハ (3))
    • なお、ここの規定では、1/120までの緩和の規定がないことに注意が必要です。(ルート2以上の場合とは、規定ぶりが異なっています。)
  • 柱・梁の部材について、幅厚比の規定を満足すること。(同号ハ (4)(5))
    • ちなみに、部材はFAランク部材はFCランク への適合が求められています。