- 「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(令和4年6月17日に公布)により、令和7年4月1日改正(施行)された内容を掲載しています。
法第20条 第1項
- 建築物の区分は法第20条 第1項 各号に規定されています。
- 建築物の区分によって、計画する建築物が適合すべき構造規定が決定します。
- 木造(混構造を除く)について、建築物の区分を整理すると、以下のようになります。
建築物の区分①【木造】
(法第20条 第1項 第一号)
- 法第20条 第1項 第一号 に該当する建築物は、次のとおりです。
- 高さが60mを超える建築物

- 法第20条 第1項 第一号 に該当する建築物では、仕様規定(耐久性等関係規定のみ)への適合と時刻歴応答解析による安全性の確認が必要となります。
建築物の区分②【木造】
(法第20条 第1項 第二号)
- 法第20条 第1項 第二号 に該当する建築物は、次のとおりです。
- 高さが60m以下の建築物
- 地階を除く階数が4以上、または、高さが16mを超えるもの

- 法第20条 第1項 第二号 に該当する建築物では、仕様規定への適合と保有水平耐力計算(ルート3)や限界耐力計算、許容応力度等計算(ルート2)などの構造計算による安全性の確認が必要となります。
- 限界耐力計算を行った場合:仕様規定は耐久性等関係規定のみへの適合で良い
- 保有水平耐力計算(ルート3)を行った場合:一部の仕様規定について適用除外が可能となる
建築物の区分③【木造】
(法第20条 第1項 第三号)
- 法第20条 第1項 第三号 に該当する建築物は、次のとおりです。
- 高さが60m以下の建築物(法第20条 第1項 第二号 に掲げるものを除く)
- 地階を除く階数が3以上、または、延べ面積が300㎡を超えるもの

- 法第20条 第1項 第三号 に該当する建築物では、仕様規定への適合と令第82条各号及び第82条の4に定めるところによる構造計算(ルート1)による安全性の確認が必要となります。
建築物の区分④【木造】
(法第20条 第1項 第四号)
- 法第20条 第1項 第四号 に該当する建築物は、次のとおりです。
- 法第20条 第1項 第一号~第三号 に掲げる建築物以外の建築物

- 法第20条 第1項 第四号 に該当する建築物では、仕様規定への適合の確認が必要となります。
確認の特例(新3号特例、旧4号特例)との関係【木造】
- 令第6条の4 第1項 第三号に、建築士の設計によるものは審査省略が適用できる、確認の特例(いわゆる『新3号特例』『旧4号特例』)の規定があります。
- 『新3号特例』の対象となる建築物の規模は、次のとおりです。

- ちなみに、『旧4号特例』の対象とされていた建築物の規模は、次のとおりです。
- 上記の『新3特例』との差が、『特例縮小』の範囲となります。

- また一方で、これまで見てきたように、全ての建築物は法第20条 第1項 各号の いずれかに分類され、仕様規定や構造計算への適合が求められます。
- よく誤解しがちでですが、ここで重要なことは、確認の特例とは「構造規定等に関する審査省略」であって、「構造規定等の適用除外ではない」と言うことです。
- 確認の特例の要件に「建築士の設計によるもの」とされているのは、建築士によって構造規定等への法適合が確認されているため、建築主事等による確認は省略しても問題ない、という考え方からです。
- 設計者の責任が求められる、考え方によっては とても厳しい取り扱いですので、間違いの無いよう注意が必要です。
建築物の区分【木造】 まとめ
- これまでの内容をまとめると、下記表のようになります。

- なお、令和7年4月1日改正による特例縮小の影響範囲も併せて表示すると、下の表のようになります。

- 特例縮小後は、縮小範囲内の規模の木造建築物についても、建築確認申請時に構造図書の添付が必要となりました。
- また、改正された法第6条 第1項 第2号に該当することとなった、いわゆる『新2号建築物』では、地上2階以下で、300㎡< 延べ面積 ≦500㎡ の建築物については、法第20条第1項第四号から同第三号に変わるため、構造図と構造計算書の添付が必要となりました。
- 同様に、地上2階以下で延べ面積≦300㎡で、特例縮小範囲の建築物については、構造図書の添付が必要となりました。