耐火鋼とは

FR鋼

  • 耐火鋼(FR鋼)とは、Fire Resistance鋼の略称で、鉄骨造建築物の耐火性能確保に必要な耐火被覆を低減または省略することを目的として開発された鋼材です。
  • SN材やSM材など各鋼材種で、490N級などの各種強度の鋼材においても、FR鋼が流通しています。
  • 例えば、通常のSN材(JIS G3136)に規定される機械的性質のほかに、耐火性を高める合金、モリブデンなどの合金元素を添加して、高温域の耐火性能を増した鋼材です。
  • 耐火鋼の溶接性は、炭素・ケイ素・マンガンが低く抑えられているため、溶接性は普通鋼と同程度ですが、素材の耐熱性が高いためガス切断加工や溶接にあたっては特別の注意が必要です。

​強度

  • 490N級、520N級、550N級、590N級材料が国土交通大臣認定品として流通しています。

​特徴

  • 耐火鋼では、600℃における降伏応力が常温時の2/3以上(約67%以上)であること(すなわち長期許容応力度を600℃まで保持すること)が保証されています。
  • 常温時の性能は一般のJIS規格と同じであるため、通常の設計施工での対応が可能となっており、接合部についてはFR鋼用の溶接材料や高力ボルトを用いることで、常温時・火災時とも母材と同等以上の必要耐力が確保できます。
  • FR鋼の高温特性を考慮した耐火設計を行なうことによって、耐火被覆の低減や省略が可能となります。
  • 無耐火被覆にすることで、柱の径を細くしたり自由な塗装をすることが可能となり、鉄骨建築の意匠性向上や、工期短縮など多くのメリットが期待できます。
イメージ図:FR鋼の耐力と温度の関係