特定木造建築物とは
(規則第1条の3 第一号 イ (2))
- 特定木造建築物について、規則第1条の3 第一号 イ(2)で、下記に該当するものとして、規定されています。
- 木造建築物 又はその部分
- 法第6条第1項に規定する建築基準法令の規定に定めるところによる構造計算によって安全性を確かめたものを除く
- ただし、上記構造計算について、国土交通大臣が定めるものを除く
- 特定木造建築物に該当すると、どうなるのか。それは、規則1条の3 表2 に規定の添付図書が変わります。特定木造建築物では、一部の構造図面に代えて、『仕様表』を添付することとなります。これは、いわゆる四号特例縮小の法改正と併せて、確認申請書の添付図書の見直しが行われたことによります。
- それでは、以下、順にみていきましょう。
特定木造建築物の要件
要件1.木造建築物であること について
- 木造建築物について、実は、法令上の具体的な定義はありませんが、通常、構造耐力上主要な部分が木材で造られている建築物が木造建築物として取り扱われます。
- これについては、基本的には、一般常識で考えることで問題ありません。
要件2.構造計算によって安全性が確かめられたものを除く について
- まずはじめに、「何」を除くのか? について考えたいと思います。
- 「法第6条第1項に規定する建築基準法令の規定に定めるところによる構造計算によって安全性を確かめたもの」とは何を指すのか、端的に言うと、法第20条第1項の規定に基づき構造計算を行ったものとして解する(取り扱う)ことで問題ないと言えます。
- なお、上記の『法第20条第1項の規定に基づく構造計算」には、ルート1~ルート3などの構造計算(令第3章 第8節)のほか、仕様規定(令第3章 第1節~第7節)のただし書計算も含まれることに注意が必要です。
- そして、最重要ポイントの一つですが、ここでの構造計算とは部材に作用する「応力の計算」 であって、壁量等の「量の計算」ではない ことを理解しておいてください。
- 整理すると、『ルート1~3などの構造計算のほか、仕様規定のただし書計算も含めた 構造計算(応力計算)』を行ったものは、特定木造建築物から除かれることとなります。
- すなわち、『応力計算を行っていないものを、特定木造建築物として取り扱う』と言えます。
要件3.国土交通大臣が定める構造計算を除く について
- 先の要件2.のところで記述したように、原則的には、構造計算によって安全性を確認したものは特定木造建築物には該当しません。(くり返しですが、ここでの構造計算とは、部材の「応力の計算」を指しているとして理解ください。)
- しかし、この要件3.の規定で、国土交通大臣が定める一部の構造計算によって安全性を確認したものは除くとされています。
- これは、構文的にみると『除くから除く』ですので、要するに『要件2.から要件3.を除く』となっています。
- すなわち、要件3.は、『除外枠からの復活枠』として考えると理解しやすいと思います。
- 整理すると、構造計算(応力の計算)を行った場合でも、国土交通大臣が定める構造計算(応力の計算)であれば、特定木造建築物として扱うことが可能 とされています。
- では、どのような構造計算が「復活枠」として規定されているのかですが、それは、規則第1条の3第一号イ(2)に規定の「国土交通大臣が定める」構造計算のことであって、それは 令6国交省告示 第973号に具体的に規定されています。
- すなわち、令6国交省告示 第973号に規定の構造計算によって安全性の確認を行っている場合は、特定木造建築物として扱うことが可能 ということです。
- 次の表に、国土交通大臣が定める構造計算(令6国交省告示 第973号)、いわゆる復活枠に規定された構造計算を示します。
| 平12建告第1347号 | 第2 | ・令第38条 第四項に規定の構造計算 (同第二項、第三項 適用除外の ための構造計算) 《基礎の許容応力度計算》 |
| 平12建告第1349号 | 第1 ただし書 第2 | ・令第43条 第1項 および 第2項ただし書 に規定の 柱の小径の仕様規定 適用除外 のための構造計算 《座屈を考慮した許容応力度計算》 |
| 平12建告1460号 | ただし書(本則部分) | ・令第47条 第1項に規定の 継手・仕口の仕様規定適用除外 のための構造計算 《継手・仕口に作用する許容応力度計算》 |
| 平13建告1540号 | 第4 第三号 ただし書 第七号 ロ 第九号 第十号 第5 第一号 第七号 ただし書 第7 第二号 ただし書 第九号 ロ 第十号 第十二号 | ・枠組壁工法告示(仕様規定) に関する構造計算 《ここでは、概要紹介にとどめるため それぞれの内容の詳細説明は、割愛します。》 |
特定木造建築物の構造図書
(規則第1条の3 表2)
- 特定木造建築物の場合の添付構造図は、規則第1条の3 表2で規定されています。
- 特定木造建築物では、仕様表を添付することによって、基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図・2面以上の軸組図の添付が必要なくなります。
- 木造(令第3章第3節)にかかる添付図書の違いは、次の表のとおりです。
| 特定木造建築物 の添付図書 | 左記以外の木造建築物 の添付図書 |
| ・各階平面図 ・2面以上の立面図 ・2面以上の断面図 ・仕様表 ・構造詳細図 ・使用構造材料一覧表 など | ・各階平面図 ・2面以上の立面図 ・2面以上の断面図 ・基礎伏図 ・各階床伏図 ・小屋伏図 ・2面以上の軸組図 ・構造詳細図 ・使用構造材料一覧表 など |